福島原子力発電所事故


福島原子力発電所事故とは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響により、福島第一原子力発電所で発生した炉心溶融をともなった原子力事故をいう。

2016年6月現在、炉内燃料のほぼ全てが溶解している。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生当時、福島第一原子力発電所では1〜3号機が運転中で、4号機、5号機及び6号機は定期検査中だった。
地震の約50分後、遡上高14m-15mの津波が発電所を襲い、非常用発電機、電気設備、ポンプ、燃料タンク、非常用バッテリーなど多数の設備が損傷または流出し、全交流電源喪失状態に陥った。

格納容器内の圧力を下げるために行なわれた排気操作(ベント)や、水素爆発、格納容器の破損、配管の繋ぎ目からの蒸気漏れ、冷却水漏れなどにより、大気中、土壌、海洋、地下水などへ大量の放射性物質が放出された。
複数の原子炉が連鎖的に炉心溶融、水素爆発を起こし、圧力容器・格納容器その他の施設の損傷で大量に放射性物質を放出するという、史上例を見ない甚大な原発事故となった。

政府は福島第一原発から半径 20 km圏内を警戒区域、20km以遠の放射線量の高い地域も計画的避難区域として避難対象地域に指定し、10万人以上の住民が避難した。2012年4月以降、放射線量に応じて避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域に再編され、帰還困難区域では立ち入りが原則禁止されている。

国会事故調は、東電は従来の想定を超えた地震・津波が襲来する可能性、そして原発がそれに耐えられない構造であることを、何度も指摘されていたにも関わらず、これを軽視し、十分な対策をとらなかったことが事故の根本原因だとしている。

東電は地震の揺れによる設備被害は事故の原因にならなかったとしているが、原子力安全・保安院長は4月27日の衆議院経済産業委員会で、倒壊した受電鉄塔が津波の及ばなかった場所にあったことを認めた。
また、1号炉について、津波到達前に原子炉建屋内の放射線量が急上昇していることから、地震の揺れによって配管の一部が破断した可能性を否定できない。

3月22日、菅直人総理大臣が近藤駿介原子力委員長に「最悪シナリオ」の作成を要請し、3日後の25日、「福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描」と題する資料が細野首相補佐官へ提出され、菅総理に報告された。この資料は閲覧後回収されて存在自体が秘密に伏され、2012年2月初めに、内閣府の情報開示で公開された。

この資料の15ページ「線量評価結果について」に於いて、水素爆発が発生したとしても半径20 km圏内という避難区域を変える必要はないが、4号機の使用済み燃料プールの燃料損傷が発生し、そこから複数の号機の使用済み燃料プールでコアコンクリート相互作用が発生した場合、もしくは原子炉自体が爆発した場合は170 km以遠から250km圏の東京都を含む首都圏にも強制移転および避難を求めることが必要になる大事故の可能性があるということを述べている。


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