IT業界における多重下請け構造の問題点と解決策


IT業界における多重下請け構造とは、発注者からシステム開発を受注した元請け企業が仕事の一部を2次請け企業へ外注し、2次請け企業が受注した仕事の一部を3次請け企業へ外注し、3次請け企業が受注した仕事の一部を4次請け企業へ外注し・・・・・・と仕事を外注企業へ下ろしていくピラミッド構造の事をいう。
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通常、元請け企業は要件定義等の上流工程を担当し、2次請け企業は設計・実装などの下流工程を担当する。下請け企業は自社で賄えない業務を孫請け企業に外注するという事を、3次、4次・・・と繰り返し、多いときには7次請け企業まで存在する。

多重下請け構造には、次の3つの問題点があると言われている。

1.価値の高い労働に対して低い賃金を与える逆転現象:1つ下の層に所属する労働者の賃金はマイナス5%~30%になり、価値の高い労働をしても、下の層に所属していると賃金に反映されない。

2.労働者を交換可能な消耗品として扱う:実装工程では、作業レベルを誰でもできる単純作業に落とし込み、実装工程の労働者を交換可能な消耗品として扱っている。また、複雑な機能については、プログラマが詳細設計と実装を同時に行なっているため、有能なプログラマに仕事が集中して使い潰されるパターンが多発する。

3.違法の可能性:多重派遣は、中間業者による労働搾取につながることや、派遣元・派遣先の企業と労働者に対する責任の所在が不明瞭になるため職業安定法第44条、労働基準法第6条(中間搾取の禁止)で禁止されている。業務請負労働者に対して、発注者が指揮命令を行うと多重派遣(違法)になる。常駐開発では、発注側と請負側のエンジニアが同じチームで作業をすることも多く、事実上「多重派遣」状態になってしまう可能性を否定できない。


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